子どもの頃、私にはとてもお転婆で女の子らしくない(当時も今もこの意識が一般的)時期があった。
それは小学校時代のこと。
幼稚園で不登校ならぬ不登園になり、小学1年時もそれを引きずっていた私が
変貌したのは小学1年の終わりに転校した小学校。小2で担任になった新任の男性教師によって
学校生活が楽しくなり、エネルギー爆発の時代を迎えた。
担任は「遊びに行こう」と言って授業を外遊びに変えた。
当時、私が住んでいた地域で“山ノ谷”と呼ばれていた池も崖もある森へと暮らす全員を誘い
思いっきり遊ぶ時間を作ってくれた。
その森の中の切り立った崖の上に先生が座り、
崖に向かって走って行く生徒を手で引き上げてくれる遊びが大好きだった。
ある時は、運動場の地面に棒で不思議な絵を描き、内と外に分かれて争う戦争ごっこを楽しんだ。
身体を使って遊ぶ時間とは別に、先生が本を読んでくれる時間や目をつぶって心を整える瞑想の時間もあった。・
身体が眠気で傾いたら、長い棒だったかさしだったかで肩を叩かれた。
授業中に友だちとおしゃべりしているとチョークが飛んでくることもあった。
今なら体罰として老けてからクレームがきそうなことがたくさんあった。当時はそれがフツーで
みんな担任が大好きだった。
担任のやり方に触発されたのか、本当の自分を引き出されたのか、
私は男の子たちと一緒になって走り回り、大人しい女の子に小さないたずらをすることもあった。
ある時、そんな私を心配した母が担任に相談した。
「うちの子はこんな感じですが、どうしたらいいですか?」
担任は・・・
「そのままでいいです」と答えた。
「人間には能動的なタイプと受動的なタイプがある。どちらもそのままでいいんです」と。
母は安心したよに私に言った。
「そのままでいいんだって」。
「そのままでいい」。
この言葉は、その後ずっと私を支えてくれた。
何度も心の中でリフレイんし、特に落ち込んだ時は、この言葉が私を助けてくれた。
「そのままてでいい」。
なんて素敵な言葉なんだろう。
