career thema 信念 英雄の死を悼む。          アレクセイ・ナワリヌイ

ロシアの反政府活動家であり弁護士のアレクセイ・ナワリヌイ氏が
シベリアの獄中で亡くなった。
暗殺、自然死の説があり、真相は闇に包まれている。
母親が遺体を引き取りに行き、ロシア政府に拒否されたが、
無事引き渡されたと聞きほっとした。
あまりにも突然の幕引きに、英雄の無念さを思わずにいられない。

彼の、あの強い、強すぎる精神を考える。
一度毒殺されかけた際にドイツで治療を受け、一命を取り留めた後、
妻とロシアに向かい、
飛行機がロシア領内に入った途端、機内で逮捕された。
彼にとっては想定内のことだっただろう。
それでも祖国に戻ることを選ん強い信念。
その根底にあるものは彼にしかわからない。
2022年、彼のドキュメンタリー映画を見た。
知性とユーモアに溢れ、家族愛、そして母国愛に満ちていた。
才能のある人だから、ロシア以外の国で人生を切り拓くこともできただろう。
なのに、彼は祖国に戻り、映画の中でロシア国民に「自信を持とう」と訴えた。
独裁者の意志に振り回されることを当たり前のように
受け止めている自国民に語りかけた。
その言葉はプーチンの垢に染まった自国民に果たして届いたのだろうか?
留くも届くまいも、そうせずにいられない思いがあったのだろう。

ロシアで一方的な裁判にかけられて懲役を受け、それが延長され、
最後はシベリアの刑務所に送られた。
それでるメッセージを送り続け、妻に愛を伝え続けた。
その精神は「強靭」としか思えない。

そんな彼の生き様をロシア国民は、どう思うのだろうか?

彼の生き方を受け入れ、支え、寄り添ってきた家族。
その人がその人であり続けることを受け入れることが「愛」なら、
これほど強い家族愛はないと思う。

「信念」。ナワリヌイのキャリアは強靭な信念に貫かれている。

こんな生き方、凡人にはできない。

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