career thema 喜び                   門野栄子のカラフル生活

タイトルの背景には本当にカラフルな白髪?
シルバーヘアの女性が笑顔満開でショッキングピンクの入った
ファッションで座っていた。魔女のように。

彼女は「魔女の宅急便」の原作者。
ユーミンの歌まで思い出してしまう。

200冊以上の本を生み出し、89歳の今も現役で活躍する。

その人生を綴ったドキュメンタリーが「門野栄子のカラフル生活」。
世の中孤独、孤立がキーワードになり
お一人様生活の寂しさを強調する風潮が多いけれど、
そんなことからかけ離れた自立し、
自分の人生を味わい尽くしている姿に私は目の前が開けた。
そして、自分の気持ちに素直に生きていいんだと確信した。

「私は気持ちがいいことをすることが大切だと思う」
冒頭でそう語った彼女の感性を持つ同年代の女性といえば・・・
黒柳徹子の自由な感性、生き方と重なる。憧れだな。

自由な世界を見たくて、結婚後夫とともにブラジルに渡り、
そこで出会った少年のことを書いた本が処女作であり、
映画の中で大きな軸になっていた。
閉塞していたブラジル生活で窓を開けて外の風を感じたことから
自分から世界にアクセスしていった彼女。

帰国して出産し子育てをする中で社会とつながりがなく
不安定な自身の在り方に疑問を抱き、書き始める。
7年の月日を経て完成した本で作家デビュー。
そこから今に至るまで書き続けている。

作品、キャリアが認められアンデルセン文学賞を受賞。
東京の江戸川区には門野栄子児童文学館がオーブんした。
彼女のトレードカラー、ピンクを基調にした内装、
全体をプロデュースしたのは一人娘のりおさん。
りおはブラジルのリオデジャネイロにちなんでいる。

りおさんが栄子さんのカラフルな服装、イメージを演出。
それでも日常は一人暮らしの栄子さん。

高齢になっても自立し、自身の仕事、
生活スタイルを貫く姿は凛々しく、美しい。

人の感性は年齢ではなく、
その人の思考と生き様から生まれるのだとつくづく感じる。
若くても、自分の考えや言葉を持たない人もいる。

腰が曲がっていても自分の足で歩き、自分の言葉を遣い
人生からにじみ出た魔法のような言葉を綴る人になりたい。

映画のラストクエスチョン。
「あなたにとって魔法とは?」

それは「喜び」。
一つでいいから、たくさんはいらないから
「自分の喜び」を持つことで人生は輝き、意味を持つ。

ああ・・なんて素敵なキャリアなんだろう。
久しぶりに清々しい人生を拝見させていただき、
気持ちが熱く、いっぱいになった。

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