乳がんの標準治療

科学的根拠(エビデンス:あるテーマに関する試験や調査などの
研究結果から導かれた、科学的な裏付け)に基づいた観点で、
現在利用できる「最良の治療」であることが示され、
多くの患者に行われることが推奨される治療が標準治療です。

乳がんの診断を受けた時、私は標準治療を知らず、
医師からも伝えられず体験談ばかり読んでいました。
自分と同じステージの人がどんな治療を経て
どんな経過をたどっていったのか?

そうした事例が一番心の励みになっていました。
事例を読みながら一喜一憂していました。

でも、診断が下りた段階で一番知る必要があるのは
自分の乳がんに適した治療方法です。

メディアでは最新の治療、自由診療で受けられる治療法が
著名人の事例に基づいて紹介される記事を多くみかけます。

でも、一番重要なのは多くの事例をもとに確立された信頼できる治療法。
そして、そうした治療法は保険適応の範囲ですので
誰もが受けられる治療になっています。

乳がんは特に、この標準治療がしっかり確立されています。
40年前、私の母がステージⅢないしⅣの乳がんになり
全摘をして放射線治療をした頃は標準治療は
立していませんでした。
長い年月を経て、今はステージごとに治療が確立されています。

国立がんセンターのHPには乳がんの標準治療の流れが
フローチャートでわかりやすく表現されています。
必ずこれを確認し、自身の状態がどこにあるのか、今後手術をするのか
どのタイミングで服薬治療が始まるのかなど、そこで調べておいて
わからないことは主治医にしっかり確認していく必要があります。

私の場合初診時に、今後の検査によって術前に抗がん剤を処方し
その後の手術になる場合もある。あるいは手術後にホルモン剤などの
服薬をしていくかもしれないと言われました。
この時に標準治療を知っていたら・・と後で思いました。

その後患部に針を刺して細胞を吸い取る穿刺せんし吸引細胞診検査(細胞診)、 
穿刺せんし吸引細胞診検査検査より太い針を使って病変を切り取る針検査(組織診)を行い、結果を確認したうえで、その後の治療が決まると言われました。

実はこの時点で術後の放射線治療については言及されませんでした。
放射線治療の必要性を説明されたのは手術が迫ってから。
全摘でなく部分切除を選択した場合、
標準治療では放射線の照射は必須だと言われたのです。
さらに私がかかった病院には射線線治療科がなく
別の病院にかからなければならないことも、この時点で知りました。

実は、この時医師の説明不足ではないかと思いました。
初回時にきちんと説明されていれば・・と思いましたが
手術を前に気持ちに余裕がなく、ただ唖然とするばかりでした。

もしも、知っていれば、病院の選択にも影響したかもしれません。

まずは標準治療の流れを知る。
自分の位置を確認する。
そのために必要なことは何か、疑問はあるか?
すべてを解決し、納得して進んで欲しいと思います。

ちなみに若くして命を落とした小林麻央さんは
この標準治療から離れてしまったと聞きます。
乳房を切除しない方法を探し、他の治療に頼っていく間に
転移が広がってしまったと・・・。
今は乳房再建も乳がんの手術と同時にできるなど
治療は進んでいます。

まずは、基本を大切にする。
考えてみてください。

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